もう靴擦れしない人生のため、足の委細を知り、靴をフィッティングするのだ

これを読んでくださっているあなたは、ご自身の足のサイズを知っているでしょう。足のサイズというのは足長、字のごとく足の長さです。デパートの靴やさんでは選びやすいようにサイズ別に靴が並んでいます。そんなデパートで靴を買うような私は、数時間前の17時まで、てっきり「靴はサイズで選び、試し、履き心地が悪くなければ買うもの」と思っていました。履き心地は悪くないけれど、長時間歩けば靴幅が広がってきたりやけにヒールが磨り減ったり靴擦れしたり。それがふつうだと思っていた。そんな数時間前の私と同じように考えている人がいるなら、声高らかに普及したいサービスがあります。それが「My foot station」、足と靴のフィッティングサロンです。

皆さんは足のサイズを聞かれたとき、たいてい、いつも履いている靴のサイズを答えると思います。
ですが、それは本当にお客様の足のサイズでしょうか?
メガネを買うときは必ず検眼をします。ですが、靴を買うとき、足のサイズをきちんと測ってくれるお店は少ないです。
ためし履きして、店内を少し歩いてみて、それで大丈夫だったら買う、そういう方が多いでしょう。
しかし、いざ外で履いてみると足に合わない、痛くなる・・・そしていつの間にかお蔵入り。
そんな失敗を繰り返している方も多いのではないでしょうか。

靴が合わないのは、お客様がご自身の足のことを知らないから。
なぜ知らないのかといえば、調べる手段がなかったから。
そう当店では考えます。

このフィッティングサロンは、3D足型自動計測機(片足約3万カ所の計測ポイントで足首から下を立体的に計測する)を用いて、足のサイズ・状態と、立ち方を調べ、あなたの足にあわせて、靴を調整してくれます。計測や説明が詳しくて詳しくて、通常、「サイズ」として認識していた「足長」以外に、実は重要な「ウイズ(足囲・足幅)」、「踵幅」、座っているとき・立っているときの「重心」を知ることができます。これまでほとんど知らなかった自分の足に向き合い、あなたの靴選びに「サイズ」以上の理解を取り入れるはずです。私はこれまでの靴選び、ぜったい間違っていた。足に合っていない靴を履くことで、足は間違った方向に力が入り、足の形がどんどん歪んでいくそう。悪いループです。

お気に入りの靴を「頑張って」履いている方、お気に入りの靴やこれからの靴選びをアップデートできる近道を見つけました。ブログを読んでくださるよりも、あなたのために、ぜひ予約を!と思っていますが、自分のために記載しておこう。はあ、感動した。正しい足に戻すために、靴もすべてフィッティングし直し、靴選びをアップデートしたくなること間違いなしです。決して、お店の回しものでなく、靴選びをもっと正しく、楽しくするために。

 

 

大通り、高架下を通り、カフェベローチェを15mほど過ぎて左道に入ると、ウェブサイトで見た通りのお店がある。丸見えの店内には先客がいる、引き戸を開ける。すぐに接客を止めるのでなく、十分に区切りを待ってから店員さんはお店用のサンダルを私の足元に並べてくれる。「いらっしゃいませ」でなく、私が足を滑り込ませたサンダルをピッと留め直しながら「細いですね」と言ったのが店員さんの第一声だ。

先客は男女の二人連れで男性はスニーカーを試し履いている、女性は「私も予約していこう」と言っている。壁に備え付けられた棚に飾られた靴、革靴や色とりどりのパンプス、スニーカーを視界に入れて、私は素知らぬ顔で待っている。先客の二人がお店を出ていき、店員さんは休む暇なく「どうぞこちらに」と言う。

早速、白い箱に入れてきたパンプスを「気に入って買ったのだけれど、靴擦れがして履けないので直したい」のだと伝える、でも伝える間もなく店員さんは「あなたの足は踵が細いからこの靴は大きい、市販の靴じゃ合わないでしょう」と言う。脚が細いという感覚は理解できるが、足が細いというのは具体的に何を指しているのかこの時点で私は理解していない。

そこから、「実際にあなたの足を見てみましょう」と言って、店員さんの示すままに両足のサイズやバランスによる重心の動き、足の指の使い方を測る。(この一部始終を伝えるには百聞は一見にしかずで行ってみるべき)測定をもとに丁寧に説明していただいた内容が、これがすごかった。

私の場合、足長は24cmだが、踵幅が55mm。24cmのひとの平均的な踵幅は64~66mmであり、世間の靴は平均サイズに合わせてほぼ設計されているのに、55mmと64〜66mmでは1cmもずれている。ずれがあるために、24cmの靴を選ぶと踵幅に余裕があり、固定されないため、前滑りして、指先が本来あるべき地点よりも前に押されて指たちの行き場が失われている。店員さんはじっとしてあくまでも丁寧に説明し、足の骨の模型を見せてくれながら、私の足の骨を押す。すると、私の足の指がじわーっとほどけ、本来あるべき、指のラインにまっすぐと開かれてゆく。人差し指にぎゅうぎゅうと接して窮屈そうにしていた親指は元に戻り、薬指にしなだれかかっていたような小指は自分を取り戻していったように見える。肩を寄せ合っていた真ん中3本の指も等間隔を取り戻していく。

今日まで、靴を履くと大体の指が窮屈になるのは足が大きいからだと思っていた。実際、そうでなく、足長に合わせると踵幅が大きく、足が固定されていないために指たちに負担を負わせていたことが理解できる。私にとっては目からミラクル鱗。

店員さんが私の足に合わせてその場で仮調整を施した靴を履くと、指が痛くない。足が本来あるべきカーブを取り戻し、足がキュッと高さを取り戻している。驚いている私に、店員さんは「いろいろもっと言いたいけれど、言うと靴選びが難しくなってしまいそうなので、ゆっくり話していきましょう」と言い、会計をすませる。受け取りはちょうど1週間後である。店員さんの最後の言葉は「ありがとうございます」でなく、「しっかりやらせていただきます」だった。